妄想北斗の拳

妄天の拳です。北斗の拳のイフストーリーを南斗聖拳シンを中心に妄想してます。

2019-12-01から1ヶ月間の記事一覧

38.

南斗蝙翔拳南斗聖拳108派にあっては中程度の拳格に過ぎない。短刀に頼る流派ではない筈だが、格からすれば「聖拳」の会得がなくてもさほどおかしくもない。だが、その動きだけはなかなかなものだ。 奴の名、蝙蝠もここから取ったか?それにしても随分と自信…

37.蝙蝠

今の俺は指突一つさえ真には極めていないのではないか。少なくとも現時点では。 リュウケン、、あの北斗神拳には型がない分、あらゆる相手に対してあらゆる者に変化できる。ならば南斗六聖拳として己が流派の孤鷲拳に拘るよりも、「南斗聖拳」という一つの拳…

36.

「ならばシンよ。この石を南斗聖拳にて砕いて見せよ」 北斗神拳と南斗聖拳源流直系孤鷲拳の関係は深い。他のいかなる南斗諸派よりも関係は近かった。子供の頃からこの北斗神拳伝承者リュウケンは知っている。厳格で笑顔を見たことがない。剃髪し法衣のような…

36.シン

リマや花の村近辺に賊と化した危険な輩はいなかった。 聖帝から派遣された精鋭小部隊と建設部隊は村の直ぐ近くに自分たちの砦を建設し始めている。建設部隊までほぼ全員がモヒカンヘアスタイルなのが滑稽だった。急ピッチで進められた建設はわずか数日である…

35.

サウザーが力の全てを「斬」に注いでいればリュウガの身体は四つの肉塊になっていたであろう。あえて斬の力を抑えた分の余力が衝撃となりリュウガを激しく打った。 動けない、、、秘孔縛ではない。強い衝撃で身体がいうことを聞かない。サウザーが笑みを浮か…

34.

マントを脱ぎ捨て御座からサウザーが跳んだ。 スタッ、と着地したその悠然とした姿の背後ではモヒ官がマントを丁寧に畳んでいる。身体に密着した黒いTシャツのような物を着ていた。その日の気分によりタンクトップ型と替えている。胸の中央部には南斗聖拳の…

33.オマージュ

「まさか貴様ごときがこの聖帝を止められると思うたか」 聖帝サウザーはいつものポーズを崩すことなくリュウガを見下ろし、そして見下した。「貴様にラオウをも超える力があるのか?」「ない。だがサウザー!貴様に拳王様ほどの力はない。俺でも届く!」サウ…

32.

リュウガとユリアの命を危険と察したダーマはシュウと二人だけの話し合いの場を設けた。 ダーマ本人がシュウに直接に呼びかけたものである。間に人を置けば話が漏れる可能性が否定できない。 サウザーが組織内にばら撒いた疑いの種はそこいらに芽を吹いてい…

31.

明るく利発、しかし拳に対しては師と共にストイックなまでに探究を続ける将星を背負うその少年は、南斗聖拳の組織にとっては、まさに期待の新星だった。 そして沈黙の慈母星ユリアも北斗の若き拳士ラオウとケンシロウとの接触により感情が蘇っている。南斗聖…

30.

リュウガとサウザーは遂に相対した。 「久しいな。正統殿」 いつものポーズのまま見下ろし、リュウガに投げかけたその言葉は辛辣だった。 「正統殿とあろう方が、このような辺鄙な場所で何をしておられる?」と、わざとらしく困ったような顔を作って見せてい…

29.

「その命令には従えません!」 一人の戦士が言った。 「リュウガ様、この竜牙会にしてもあなたあってのもの。我らは同じ志の下に集まったのではありませんか!リュウガ様!あなたが拳王様に希望を託すように、我らもあなたに希望を見ているのです!」 出来な…

28.リュウガ

拳王の支配を末端から揺るがしかねない腐った者たちを自らの手で粛清したばかりだ。 拳王の恐怖という絶対的な支配力がなくなり、部隊の多くは元の凶賊に戻ってしまっている。 しかしリュウガは拳王ラオウの復活を信じている。今は姿を消しているが治療に専…

27.聖帝

瓦礫の山の中にあっても整えられた、かつて国道と呼ばれていた広い道を進んでいる集団があった。 その中心にいるのは聖帝サウザーである。 玉座付きのバイクに脚を組み、拳で頬杖をするサウザーいつものポーズ。その聖帝サウザーを重装の近衛兵が二重に取り…

26.特徴のない男

サウザーはシンの要求に応じて精鋭でなる小部隊を派遣した。さすがに決断と行動が早い。 部隊長は下位も下位ながら南斗聖拳一派の使い手であり、少しばかり面識があった。「シン様、ご存命でしたか!」以前なら南斗の名を冠しただけの雑多な流派などゴミクズ…

25.

気付けば全身に汗が噴き出ている。 そう、今さっき確かに取られたのだ。相手が南斗の帝王とは言え、六将としてはあくまで同格の筈の男に完全敗北を喫した。これが南斗鳳凰拳、そしてこれがサウザー。 殺す シンの内側に黒い炎が湧き上がる。負けている、劣っ…

24.

「それは横から黙って見ていろということか?」 そうでないのは知っている。知っていて問うている。それに答えずサウザーは別のことを話し始めた。「我が南斗鳳凰拳は一子相伝。まだ息子たちには修行にも入らせていない。その覚悟が出来ている者がいない。聖…

23.

両開きの扉を開けるとそこは想像以上に広い部屋であった。大広間である。 壁面に貼り付けられた鏡で囲まれた室内。複数のリング。サンドバック、グローブ、レガース、ヘッドギア等々。リングの上ではボクシングや拳法のスパーリングが行われている。奥側には…