妄想北斗の拳

妄天の拳です。北斗の拳のイフストーリーを南斗聖拳シンを中心に妄想してます。

194.

敗れた、、、肉体の損傷を覚悟して踏み込んだ必殺の間合いに、奴はいなかった。 これは、、、ずるい。 思わずシンは笑った。 互いに限界の果てにまで及びながら、最後の最後で北斗の究極奥義を出すとは。いや、まさに無意識に発動したのだ。あの、 「無想転…

193.

ここが真の勝負所、、とまでは思えない。 だが、この死闘の幕切れは不意に訪れるのかも知れない。 死闘の濃度の高さに、その幕切れの壮絶さが比例するわけではないのだから。 ましてこの舞台にいる二人は至高も至高、最高の拳士なのだ。一瞬の場の綻びが勝敗…

192をchat gptで変えてみた

ver.3.5 無料で使えるやつです。 文学的に変えてみて、という条件出しました。 夕陽の柔らかな光が降り注ぐ中で、ガルダは軽やかな口調で問いかける。「ところで、天帝さんも来てるんだってね」と彼は微笑みを浮かべる。ギルは少し眉根を寄せ、穏やかな口調…

192.

「ところで、、天帝さんも来てるね」とガルダは言う。 「天帝まで? 来てもおかしくはないが」と少し眉根を寄せてギルが返す。 ガルダは完全に毒が抜けた様子だが、一方で流石に天帝ともなれば少しばかりは畏まるくらいの心情がギルにはある。 もっとも、か…

191.

覚悟はできた。 ガルゴに敗けた時は死の恐怖によって、取り乱した。恐慌していた。 それと違い今ここ、自分の背骨と重なるように、本当の覚悟は彼の中に据えられている。 それは彼が到達すべき拳の神域に達したからである。思い残すことはない。若しくは、、…

190.

違いはある。明白にある。シンの目はただ見開いているのみで、悲しみを思わせるものがない。 それがシンの悲しい目かと言えば、それももちろんにして違う。 では、先のシンのまるで読めなかった動きは何なのか?説明がつかない。 ケンシロウの癖が出た。全て…

189.

たった一人、、この状況下にあっても尚シンの勝利を信じるたった一人の男、自分自身のため、彼は荒い息遣いの中でも改めて構えを取った。 この日の中だというのに、無想転生を使うケンシロウの実体は見抜けない。 そのケンシロウは究極奥義を解きシンの前に…

187.

無想転生、、、、 ケンシロウは無表情で、しかも半端な形で構えたままだった。 なのに、、、存在が感じ取れない。神人の戦いは肉眼より「氣眼」が重要だ。 それが逆転している。肉眼は確かにケンシロウを捉えているが、氣眼ではケンシロウが、、、いない? …

186.

バン!!! 「!?」 一瞬だが、シンは自分が宙に浮かんでいるような、或いはそれとも異次元に立っている?そんな感覚を得た。 ただ光だけが満ちており、自分の影さえ映らない。一つの例外を除き、全ての存在が消えており、 自分が立っているのか、宙に浮い…

185.

「人の思い、、、」 ケンシロウがシンの言葉を繰り返す。 「思い、、」 (BGM.アニメ北斗の拳でケンシロウがやり返すシーンの) ケンシロウの闘気は甦っていた。 「その思いは、、この俺にもある。俺を幾度も死の淵から救い出しだものだ」ギン! 「、、、そ…

ところで

前にも書いたと思いますが、この妄想北斗の拳、妄天の拳は、自分の「北斗の拳」に対する、愛と情の墓です。 実は、一昨年の6月までに全て投稿して終わる予定でした。 しかし、自分の中で完結してしまい、結果投稿意欲がなくなってしまったのです。 もう、こ…

184.

「はぁ、、はぁ、、、はぁ、、、」 自分の息遣いだと理解した。そう気が付いた。 ケンシロウが片膝を着き、血が溢れ出す傷を押さえながら苦悶の声を上げている。最強の男がそんな姿を晒している。このシンに対して。 それは彼が、全南斗聖拳の悲願をかけてこ…

183.

全ての奥義を会得し、北斗神拳伝承者となったとは言え、その時点で真の伝承者になったことにはならない。 その北斗の宿命故に数多の強敵と死闘を繰り返し、時に敗北し、そこから這い上がった。 それが北斗神拳伝承者でありながら敗北をも知る男、ケンシロウ…

182.

見事だった。 ケンシロウは改めてこのシンという男を認めた。認めざるを得なかった。 かつての強敵(トモ)は今こうして目の前に自身の最高な状態で立っている。 今の蹴りの威力は、あのラオウをも思い起こさせた。 しかし感心すべきはその威力ではない。魔…

181.

暖かい、、、暖かい、、、、 温かい光に包まれていた。 ゆっくりと目を開く。その先にはこの世のどの光よりも優しい輝きがあった。 不思議と身体中の痛みが引いて行く。 「ユ、ユリア、、か」 シンはその心地良さに抗うこともできずに目を瞑った。 眠りに落…

180.

「北斗神拳奥義 七星点心」 静かだが重厚な声が風雨の中でもしっかりと聞き取れた。 七星テンシン、、、奥義。北斗神拳が奥義を見せるということは相手を確実に葬るということの意思表示。南斗聖拳にしても同様だからだ。 焦りはある、、、まだ実戦における…

179.

またひとつ、命の灯が消えた。 そこに叫びや苦痛の思念はない。オウガの手練れに気取られることなく命を奪っている。 しかも、場合によっては雷光や雷鳴に合わせてことを為している。暗殺拳としての技量はかなりのものであることが推察できた。 それでいて、…

178.

その夜、リュウケンは一人暗い広間の中央に座していた。 寺院を思わせる外観のその屋敷は、造りこそ古風だが、設備は現代的で快適に過ごすことができる。 だが、リュウケンはそのような快適さを必要とはしていない。そもそも北斗神拳の調気法を以ってすれば…

177.

その日、師父は慌しかった。北斗神拳伝承者リュウケンを招いていたからだった。 リュウケンに対しては、技においても人格においても、ほとんど敬うほどの思いを、師父は抱いていた。 いわゆる親北斗派であって、その中でも最も先端にいるような男である。 本…

176.

ケンシロウがスゥッと近付いていた! 「なに!!」 いつ!? シンの心の隙間に撃ち出す横蹴りの連打! 「あたたあ!」 ガードを固めて蹴りを受ける! 流せない間合いで蹴り込まれた力がシンの腕を一瞬の痺れを与えた。 言うまでもなく、その蹴りの威力は筋力…

175.

ケンシロウは動かない。待ちに徹しているというわけではなかった。 互いに待ちに入れば、先に動くのはシン。そうに決まっていた。 ケンシロウは北斗神拳真の伝承者らしく、偏りのない真円なる拳であるのに対して、シンは攻に寄っている。 少なくとも現在のシ…

174.

互いがそれぞれの天帰掌を解除する。 シンは突き主体のため、指を伸ばし、右前半身の構えで、右手の指の高さは目線やや下。左手はそれよりまた低く防御と迎撃を兼ねる。 ケンシロウは左前半身の構えで、シンとは左右逆である。しかし、拳は握っており、前に…

レイ.41

「全く!」 ぼやかずにはいられない。 「どうして!全く!」 繰り返し、俺はぼやいた。 バイクでレジスタンスの隠れ処を飛び出して30分も経たないというのに、、、、 アクセルを握り込む手に変わりはないはずだった。なのに、ツーストの軽いエンジン音リズム…

173.

黙って向かい合う、二人の至高なる拳士。北斗神拳伝承者と南斗聖拳伝承者。 ケンシロウは重い沈黙を守ったままだ。暗殺拳同士の対決とは言え、拳法家の戦いだ。始まりの合図なくしては始まらない。 合図と言っても、二人同時の合意の瞬間があればいい。その…

172.

以前会った時は、いや、それ自体さほど過去の話ではない。にも関わらず、受ける印象がまた異なっている。 鋼鉄のような男、、、それがシンが観るケンシロウへの印象だった。この短期間で何かが変わったのか、、、? 違う そうではなく、実態の不明さこそが現…

171.

「はぁ、はぁ、はぁ」 荒い息遣いは自分のものだった。負傷も疲労も、間違いなく極限だ。 しかし、この息遣いはその極限にぶち込まれた状態によるものだけでなく、、、、目を疑う光景を前にしている自分を落ち着かせるための呼吸、その意味合いもある。 あの…

170.

「は!?」 シンは壁に寄りかかったままだった。俺は今、、何を見たのか? それにしても、とギルはシンを、というよりも得体の知れない目の前の男を刮目したままに思考の渦に呑まれている。 数秒して、その渦を逃げ出して着いた先の理解、、、これが真の暗殺…

169.

シンとガルゴとの一戦を前に、中央帝都の上空は、、「天が割れていた」。それほどの対決がそこにあった。 かのガルゴが言うには、天が割れているのは二つの天帝がそれぞれについているから、らしい。 そんな天帝の権威を互いに背負うような大一番の陰で、誰…

168.

「この辺にいると聞いていたが、、、」 などと男は声には出さず、廃墟と化した街を油断ない目で一人歩き回っている。 曇天だが真っ昼間、男は全身黒づくめで防水加工を施した、やはり真っ黒の傘を被っている。 ここまで黒一色に統一しているのは、あの蝙蝠く…

167.

「どこの誰から聞いた話よ?」 泰山王にさえ敬意を抱かないガルダの態度に怒りを覚えたか、筋肉達磨の髪の毛のない頭が紅くなる。 「(ん? 小芝居ではない?)」と、侮る気はないが、短気な男を見てガルダはニヤけた顔を作る。 敵対しても仕方ないどころか…