妄想北斗の拳

妄天の拳です。北斗の拳のイフストーリーを南斗聖拳シンを中心に妄想してます。

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

レイ11

南斗聖拳は破壊を究めた流派だが、決してそれだけの拳ではない。もしそうだとすれば、北斗神拳の秘孔点穴をも否定しかねない拳圧だけで岩をも穿つであろうラオウの剛拳は、南斗聖拳の存在価値を根底から全てを根こそぎにするだろう。 トキを前にして隙だらけ…

レイ⑩

俺は天帰掌を解き、前方への警戒に特化した構えに移った。トキは両手の高さをずらし、掌をこちらに向けている。空気の流れを探しているかの様。まさに受けの構えだ。俺の構えに形は似ている。違うのは俺が足捌きに重点を置くため身体を浮かしているのに対し…

120.

「北斗神拳も、はじめから北斗神拳であったのではない。元は北斗宗家にまで遡る」シンはバルバとともに闘技場をぐるりと廻っている。 「北斗宗家、、、」南斗聖拳六将の一人であるシンでさえ、この名は噂程度にしか知らされていない。 北斗神拳即ちリュウケ…

レイ⑨

運命の三日目。幸いなことに、そして当然と言えば当然なのだが、俺の身には何の変化もない。ただ、今日はトキとの手合わせがある。手合わせと言っても、そんな生易しいものに終わるかは不明だ。 早朝、ケンシロウは村を出ると言い残し、特に向かう先もない旅…

一応

漫画作品「北斗の拳」と「蒼天の拳」は完全に繋がっているかは不明?でしょうか。 今回のリュウケンやジュウケイ、カスミケンシロウやテッシンの設定はそのまま拝借しましたが個人的には北斗と蒼天は酷似した異世界の話と捉えています。 南斗聖拳は北斗神拳…

119.

史上二人目の南斗聖拳伝承者だと?「どういう意味だ?」 「答えを焦るでない。それはまだ確定した事実でもないのだから」「何が言いたいんだ?」「ここでどう過ごすか、、、それがそなたに聖なる拳が授かるかどうかの鍵となろう」 ここで過ごさせるつもりら…

レイ⑧ ユダの手下たち

「なあ、最近ユダ様どうしたんだ?」「オメエも思ったか? そうなんだよな。あ、オメエ髪にハエが入り込んで出られねえみてえだが」 「お、ホントだ。なんか煩えなと思ったよ」「まさに五月の蝿だな」 「ん?今五月だっけ?」「さあな。んなことはいいんだよ…

レイ⑦

明くる日。居場所を失った俺は一旦この村を離れることにした。 ラオウがまだこの村を狙っている可能性はあるが、それを話したところでケンシロウは好き勝手動くだろう。それどころか特に当てもなくラオウを探しに旅立つこともあり得る。だが、、、トキなら話…

118.

「南斗聖拳は恐ろしい暗殺拳ではあっても、神が定めた人間の限界を破る、まさに聖なる力だ。同意であろう?」 シンは、先ずは黙って聴くに徹した。南斗聖拳には誇りを持っている。それがシンという人間を形成するほとんど全てと言っていい。しかし、どの角度…

レイ⑥

「マミヤ」 成果の出ない鍛錬をぶっ続けたその日の夕刻だった。先ず俺がやるべきことはマミヤを気遣うこと。それ即ちあの男と対決するということだ。「何?」今更ながら女という生き物には驚かされる。こちらは南斗水鳥拳の拳士。牙一族との戦いで俺やケンシ…

117.

「よくぞ来られた。南斗聖拳唯一の伝承者、、、現在のな」真ん中の男が小馬鹿にする様子で話しかけて来た。両脇の男たちもヘラヘラしていて薄気味悪い。三人ともニヤけた面の左目の下には殴られたような痣があり、身体の運びにも壊れかけの機械地味た不自然…

レイ⑤

早朝、、 今のところ辺りに人の気配はない。村から少し離れた森の中で見つけた透き通るほど綺麗な池。魚の姿も見えている。自然の回復力は人間の思うよりも遥かに高く、確実に元の状態を取り戻して来ているようだ。、、、この森を生活圏にする人間がいないと…

116.

「ここです」 どう見てもただの荒くれ者たちが徘徊している不穏で殺伐とした街の中、蝙蝠がクルマを止めたのは、特にどうということはない小さめの建物だった。武装した荒くれ者たちに目で挨拶すると、彼らも軽く肯いたり手を挙げたりと、蝙蝠に応える。 「…

レイ④

「トキ、話がある」俺はこの奇妙な現象をトキに相談することにした。相談するにはちょうどいい清々しい、、、と言っていいのか、そんな夜だ。 「まず、、これから俺が言うことは冗談ではない。だから、真剣に聴いてほしい」「わかった」すんなりとトキは聴き…

なんだかんだで続けるレイ③

更に少し遅れてトキと、そしてマミヤが姿を現した。 「マミヤ!」俺は駆け寄った。まさかマミヤに再会できるとは思いもしなかった。全てを、自分の死さえを受け入れた俺だが、今の俺では生に、命にしがみつきたくてしょうがない。 「レイ、流石にあなたの南…

レイ②

「退がっていろ」レイはアイリたちに命じた。あの時の通りなら拳王ラオウはこの道から現れる筈である。 ズオォ、、、、、重い圧力が迫るのを肌で感じた。 (巨馬に跨る黒い兜を被った巨体の男。上等な黒いマントの裏地は赤。あのマントに決死の奥義を破られ…

115.

「それならだいたい予想はつきます。ほとんど確信的にです。ただ確定できる材料がないだけで、この考えに自信はあります」謎の男、そうでなくば謎の組織か、、、帝都の有力者というナンフーのことを訊いていた。 「ナンフーとはナンフ「ウ」、、つまり南風。…