妄想北斗の拳

妄天の拳です。北斗の拳のイフストーリーを南斗聖拳シンを中心に妄想してます。

なんだかんだで続けるレイ③

更に少し遅れてトキと、そしてマミヤが姿を現した。

「マミヤ!」
俺は駆け寄った。まさかマミヤに再会できるとは思いもしなかった。全てを、自分の死さえを受け入れた俺だが、今の俺では生に、命にしがみつきたくてしょうがない。

「レイ、流石にあなたの南斗水鳥拳ね。また片付けるの大変そう」
「マミヤ、、、」
俺はその美しい笑顔に惹き付けられてしまい、目を逸らすことができないでいた。
「ちょっと、どうしたのレイ。なんか変よ?」
「は!」
そうだった。この時の俺はまだマミヤに愛の告白をしていない。

今するか?

、、、、、、、無理だ。


あの時は俺もラオウにやられている上、マミヤはラオウにボウガンを向けていた。
射てばどうなるかはわかり切っていた。そして現実にそうなる直前だった。
あの切羽詰まった状況でなくてはとても言えたものではない、、、

それにしても、、、マミヤ、、、
死んだ俺が見ている夢でもいい。幻でも妄想でさえ構わない。またこうしてお前のことを、、
「どうした?レイ」
「!」
ケンシロウの低い声で俺は我に帰った。

「う、あ、ケンシロウ。無事だったか?」
「、、、無事だが、どうした?」
「あ、すまん。ラオウと今にもやり合うかどうかだったせいで少し混乱しているようだ」
ラオウと」
「そ、そうだ、ラオウだ。恐ろしい男だな、あれは」

「レイよ、どうやって退けた。あのラオウを」
落ち着いた声だ。トキの声は聴く者をも落ち着かせる。
「トキ、、。戦えばまず負けていただろう。ケンシロウとトキがすぐそこに来ていると伝えたところ、ラオウは去って行った」
「、、、そうか。あのラオウが」
何かおかしい、、そういう顔をしている。
「だがそなたが無事なら何よりだ。とにかく何よりだ」
そうだなトキ。お前はラオウと戦った者が何をされるか、どんな秘孔を突かれ、どんな極限の苦痛を受けるかを知っている。あんな経験はもうごめんだ。あんな悪い意味で濃い三日は、南斗の厳しい修行と正統伝承者争いの中にさえ見当たらない。

「すっげえんだぜ、レイはよ! もうダメかと思った時にレイを見た時は安心して泣きそうだったぜ!」
バットは興奮気味にケンシロウに話しているが、ラオウの力をこの世界?のバットは見ていない。
上には上がいる。それも遥かに高い上がある。

「レイ」
「リン」
「良かった。わたし良かった。あの黒い馬に乗った人、、なんか、違ってた。ケンやレイの強さを知ってるけど、でもなんか、、、どうなったかは分からないけど、戦っちゃいけないって、そう思ったの」
「うむ、そうだな。もう一度言う。止めてくれてありがとう、リン」
涙、、、この幼き涙を笑顔に変えるためケンシロウの力が必要だ。だがもしかしたら、これがもし夢でないなら、俺もそれに力を尽くしたい。

しかし、、、
、、、あの世界のラオウは傷を負ってこの場を去っている。だからこの村を危機的状況から救うことができた。
しかし現状どうだろう?
ラオウは同じく去りはしたが無傷のままだ。トキの柔拳をケンシロウが身に付けることを嫌がっているラオウがこのままおとなしくこの村を放置するだろうか。
とにかく、、この夢か何かが知れないこの状態はあと三日で何かしらの答えを見せてくれるだろう。
ぶっ飛んだ話だ。
だが、トキなら、、トキなら何かしらの理解を示してくれるかも知れない。
今はまだここも慌ただしい。
夜だ。深い話は日が落ちてからがいい。