妄想北斗の拳

妄天の拳です。北斗の拳のイフストーリーを南斗聖拳シンを中心に妄想してます。

2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

49.

「探せえい! 拳王様に逆らった暗帝サウザーの血を絶やせい!」 2mを超える巨体。ラオウにも迫るばかりの大男が野太くややかすれた声で兵士たちを奮い立たせる。拳王麾下三泰山の一人、バイケンである。(本編連載前読み切り北斗の拳の梅軒オマージュ的見た…

48.

素早い足取りで蝙蝠がシンを先導する。「もう少しです」 十字陵の麓の一角にあるビル。割れたショーウィンドウからくぐるように中へ入り、薄暗い中を迷うことなく進んで行く。行き止まりで足を止めると蝙蝠はそこに集められたガラクタの数々を、らしからぬ乱…

47.落鳳

「だが! 俺は南斗の帝王!」サウザーが痺れてままならない脚を無理に動かし石段を下る。神速の足捌きを持つ南斗鳳凰拳がただ満足に歩くことさえ出来ないまでに追い込まれている。 「ひ、退かぬ! 媚びぬ! 省みぬ!」そう言いながらサウザーが前に倒れる。…

46.

しかし、変だ。ケンシロウもサウザーに合わせて特異な構えを見せたが、その後何らそれなりの技を披露していない。あの構えにも意味がある筈だ。サウザーと同様に敵に対する敬意を表する意味であったとしても、まだ見せていない何かがある筈だ。なければおか…

45.

「南斗鳳凰拳奥義! 天翔十字鳳!!」 シンと蝙蝠の氣眼は鋭く強い光を放つサウザーを捉えた。この遠い距離でも圧されるような、斬られるようなサウザーの裂氣が射す。 「むう!南斗鳳凰拳に構えが!」ラオウが唸る。自身との対決でさえ構えを見せなかったサ…

44.

サウザーがマントを投げ捨て十時陵の石段を上って行く。その目線の先には北斗神拳伝承者ケンシロウ。北斗神拳と南斗聖拳最強鳳凰拳の宿命の戦いが、この最高の舞台で遂に!拳王ラオウ、トキ、そして遠くからは「死人」のキングであるシン。もう一人、南斗六…

43.

「シュウ、、、見事」 南斗六星の重鎮、南斗白鷺拳仁星が聖帝十字陵の頂、冠岩の下に、、遂にその光を消した。いや、その光は消えたのではない。自らの死を以ってここにいる多くの者たちの心に宿ったのだ。特にケンシロウの心に。 それにしてもケンシロウ、…

42.

「南斗の帝王サウザー様と北斗神拳伝承者様の因縁対決でしたが、わりとあっさり勝敗は決まりました。内容は濃密でしたがね」 蝙蝠が用意した四駆車に乗りサウザーの拠点へと向かっている。崩れたビルの並ぶ破壊された街中を往く。人は誰もいない。代わりに骸…

41.

「それは私が南斗様の熱烈に過ぎるほどのファンだからです。もちろん、シン様が腑抜けすぎて復活の見込みないようなら、そんな貴方は見ていられない。この手で壊すという思いはありましたがね」 蝙蝠は彫刻像の上でまた立ち上がった。「やはり私ではシン様に…

40.

貴方様を助けた理由。 それはこの私が他の誰にも負けないくらい、南斗様の熱烈なファンだからですよ。これは本当です。憧れ恋焦がれた南斗様の技を担うことは出来ましたが、その技をいただいたからこそわかります。私は所詮はシュメなんだと。私は特に南斗六…

39.

地面を斬り刻む恐ろしい音と共に砂煙を上げながら裂波が蝙蝠を狙う! しかし、今回もまたフワッと蝙蝠は舞い上がると裂波の全てをかわし、広い庭の中央にある彫刻像の上に音もなく着地した。的を外された裂波が後方の壁を刻む。 南斗蝙翔拳、、、何を以って…