妄想北斗の拳

妄天の拳です。北斗の拳のイフストーリーを南斗聖拳シンを中心に妄想してます。

2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

93.

第三エリア。 帝都から最も近い大型の街で、衛星都市の役割も持っている。ただ、この場合の衛星都市とは都市機能としてのものではなく、文字通り「衛星」、衛る役目を意味していた。しかし、兵士の大部分は北斗の軍来襲のために駆り出されており、たまに見か…

92.

北斗の軍は既に帝都の最終防衛ライン(急遽定められた)付近にまで進軍して来ていた。ケンシロウを先頭にしたその軍勢を止める術はなく、そして帝都内においてもボルツ、ソリアの将軍が敗れるという未曾有の事態が混乱を加速させている。さらに追い討ちをか…

91.

「それは楽しみだ。俺の見立てではアンタは俺より弱い。そしてガルゴは俺よりも強い。前にも言ったが勝負は見えている」 度重なるシンへの挑発だが、今この男を敵として見ることができない。どうにもこの挑発や歪んだ性向には訳ありな気がしてならないからだ…

90.

「ガッカリだ。こんな男を南斗聖拳と呼ばねばならないあのジジイどもにも、こんな男に南斗聖拳を託したあのユリアにも、、、!!」反射的にガルダは退いた。殺気が鋭い。見えない数多の刃が二人の間の空気を斬ったかのようだ。 「ハッ、全く激しいな。あのジ…

89.

シンには帝都攻め参戦の理由はない。 南北の一体化が巨大な力を持つのなら、ここでケンシロウの前に姿を見せ協力を申し出るのも他人目線なら面白いだろう。北斗の軍の連中も、北斗神拳伝承者のみでなくそこに南斗六聖拳の生き残りが加わるとあれば彼らの戦意…

88.

「まさに混沌としている、というやつだな」 帝都内では兵士たちが、北斗の軍と、それより何より将軍ソリアを倒した北斗神拳伝承者の接近を前にして、これまで類を見ない慌ただしさで軍備を進めていた。ルール無用の厳しい乱世を生き抜いてきた者たちも一応の…

87.ケン

ケンシロウの「来い」を合図に紫色の戦士たちが一斉に襲い掛かった! 一番乗りの戦士が槍を全身これまでの最高の力と速さで突き出す!が、ケンシロウは表情を変えることもなく、瞬きさえもせずに手で軌道を逸らす。その手は速く、そして静かで柔らかい。「!…

86.残兵

ケン、、、 ケンが負った傷は決して軽くはない筈だ。なのにこの数日だけで傷が塞がっている。今更だが一体どんな人間なんだ。まさに超人だ。それが北斗神拳伝承者なんだな。 「バット」「ケン」「待たせた。行こう」と、ケンシロウはいつもの袖なしライダー…

85.

リンとバット、二人の若く勇猛なリーダーが軍を率いてこの村を去って後、彼はいつもこの小高い丘に座し、遥か中央帝都の方角を眺めている。最早、第一線にて軍師としての才腕を奮うことは困難である。年齢的な問題もあるが、ラオウとの戦いで深い傷を負って…

84.

数ヶ月前、、、 バシッ! ビシッ! ガッ!「愚か者め! 貴様に任せたのが間違いだった!! 全くこの役立たずめ!!」ファルコは氣を張らずにジャコウの鞭を黙って無抵抗のまま受け続けている。怒り狂える総督ジャコウの後方には異様にゴツゴツした二人の筋肉…

83.ショウキ

シンが立ち寄ったそのエリアは住人たちに落ち着きがなく、いやむしろ急速に騒乱へと変化しつつある状態だった。騒乱の勢いに右往左往する一人の老女を捕まえ、落ち着かせてから理由を聞いた。話によると、帝都への反乱軍が北から規模を増しつつ押し寄せて来…

82.ソリア

帝都の将軍の一人、紫の闘気を操る元斗の戦士ソリア。闘気の色味に合わせた紫の衣服と上級なマントに包まれた強靭な肉体の持ち主。かつてファルコとの戦いにより失った右目は帝都の紋章が施された黒い眼帯で隠されている。 そのソリアの元にある報せが舞い込…

81.花慶オマージュ

「どうだった。南斗の荒鷲は」 相変わらず腐臭が漂って来るかのような声だ。そして腹が立つのがこいつらの多くに共通した不気味な動作だ。頷きが非常に多く、手首もカクカクと動かし続けている。更にもう一つ、こいつらの黒いローブのフードで隠れた顔に特徴…