妄想北斗の拳

妄天の拳です。北斗の拳のイフストーリーを南斗聖拳シンを中心に妄想してます。

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

レイ.37

ラオウとの睨み合いで、サウザーにこちらを気にする余裕がない、それを見計らい、俺はケンシロウを背負って走った。 目指すはこの街の外、という曖昧な目的地点。 もちろん、街からの脱出が成功しても、それならそれで追手は来るだろうが、先ずは脱出だった…

レイ.36

バックパックを胸の前に掛け、そして瀕死のケンシロウを背負った。いかに南斗水鳥拳伝承者でも、大の男をおぶってまで、自由に動くことは難しい。もちろん、この状態でも常人よりは遥かに超人的に動くことは、可能だ。しかしだ、そう、しかしなのだ。外の騒…

レイ.35

俺の背後に、追って来るサウザーの気配はない。この先が行き止まりなら多少は面倒なことになるが、壁を斬って逃げ道を作ることは、俺、つまり南斗水鳥拳にとっては、それほど困難なことではない。それよりも、サウザーが南斗聖拳最強と謳われる男とはいえ、…

149.

シンは苦しみの最中に笑っていた。苦痛に顔を歪め、呻き声を発しながらも、それと同時に口角が上がるのを抑えられない。 バルバの暗黒の呪気は南斗の裂気を靄のように溶かし、そして蒸散させる。その作用は体内にまでは及ばないものの、宙に浮かされた状態で…