妄想北斗の拳

妄天の拳です。北斗の拳のイフストーリーを南斗聖拳シンを中心に妄想してます。

2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

130.

流石は三面拳最強と噂される男ゲッコウだった。 彼の南斗月辵拳は孤鷲拳と似た実利追究の拳。実際かなり似ていた。そしてゲッコウの戦法は拳士ではなく戦士と言う方が合っている。拳士という括りで捉えてしまうと見えなくなるものがある。それをゲッコウは思…

レイ22.ユダ

「ユダ、うぬも入るがいい」まさかの拳王の申し出に俺は戸惑った。と、同時に俺を「うぬ」と呼んだことに怒りを覚える。もっとも、、、俺はこれからキサマに一泡吹かせてやるつもり。少々のことは多目に見よう。「何を言う拳王。客人をもてなすため用意した…

129.

聚聖殿から出て進むこと一時間弱の距離にある深い谷。そこに今回目的の修練場がある。 谷の遥か下に川の流れが見える、落ちたら南斗聖拳の拳士であろうと助からない高さである。その谷底から数十本の石柱が伸びており、その上、直径1mほどの円形の足場で戦…

レイ21.ユダ

拳王を迎えるために俺が準備したのは山間にある、かつて栄えた世界での旧温泉街、、、の近くにある、学校と呼ばれた施設だった。俺は特殊且つ上級国民の家に育ち、後に南斗聖拳組織に送られている。下々の民を寄せ集めたこのような施設とは無縁だった。感傷…

128.三面拳

バルバがシンの練習相手にと、紹介したのは三人の男だった。 ライデン。南斗鳳鶴拳の使い手。108派にそんな流派はない。この南斗宗家の中で練り究められた拳だ。名からして鳳凰拳と紅鶴拳の要素を取り入れているかと思われたが、実際は脚技の比率が高く、強…

レイ20.

シュウは俺がレジスタンスに合流することを、喜んで受け入れてくれた。 「好きなところに座ってくれ」さっき救い出した子供たち、、、親からさまざまな形で引き剥がされたばかりだ。その悲しみは計り知れない。そんな彼らの世話をしてくれる女たちも、ここに…

レイ19.

三度目の合図で現れたシュメはチイという名の若者と、他にやはり若い男二人だった。 シュメを呼ぶ合図?何ということはない。シュメなら南斗聖拳の人間をどこかで見守っているだろう。見晴らしの良い平地を進む時に、手で招くような仕草をすればいい。それだ…

127.

ほとんど夢中で秘伝書の数々を読み、知識を吸収している。そんなシンにバルバは気を遣うかのような静かな声で話し掛ける。「シンよ、石像に刻まれた南斗の一撃の話をしてよいか?」 カァァァ、、、と脳が忙しく働いている。そのせいで体内のエネルギーが激し…