妄想北斗の拳

妄天の拳です。北斗の拳のイフストーリーを南斗聖拳シンを中心に妄想してます。

2020-12-01から1ヶ月間の記事一覧

138.魔神

数時間が経過していた。 バルバは一人落ち着きもなく、目の前の黒い鉄門が開くのを待っている。そこから離れた石道の曲がり角では、黒いローブを着込んだリハクが遠く隠れるようにして覗き見していた。事実、隠れていた。 南斗五車星を束ね、慈母星ユリアに…

レイ.28

南斗聖拳は六聖拳を最高峰とした総勢108派からなる大所帯だ。 ただ南斗と名乗るだけのような流派がある中で六聖拳の力はいうまでもないが、他にも極一部だけ上位の流派が存在している。 その最たるものが、この南斗鵷鶵拳、、、 短めの黒髪を立てた俺と同年…

レイ.27

小高く、今にも倒壊しそうに傾くビルの屋上から頭を上げ、俺は前方を確認する。既に聖帝勢力下の中心部に近い。堂々と歩いて行けばすぐにでも聖帝兵に見つかるだろう。その一方で北斗神拳によると思しき遺体はなく、兵士たちにも敵襲来を感じさせるような慌…

137.

ヒエンの冷たい身体を抱き、シンは彼らしからぬ悲しみの深き谷の中にいた。 「なんとなく、最後はこうなるのではと予想はしていたが、これは決まっていたことなんだな」シンの独り言ではない。背後の気配に言っている。南斗宗家宗主バルバである。「彼ら三面…

136.

蝙蝠は片膝を着き、高き座に就く男に頭を下げた。広い部屋の壁際には武装した腕利きたちが蝙蝠をやや遠巻きに取り囲んでいる。 「それで頼みとは?」低く渋い声。その主は、、「はい、ナンフー様」ナンフーとはサウザーの遺児を護る南斗将星直属のシュメたち…

135.

変貌を遂げたヒエンから、これまでの彼にはなかった闘気が吹き出ている。闘気が吹き出る、、肉眼にも赤い蒸気が見えるが、これはヒエンの血液が渇いて塵となっている状態である。こんな状態は本来の暗殺拳南斗聖拳ではない。今更だ。なのに何故かそれをしみ…

レイ.26

「うっ、、ぐぅ、、、」 両肩が痛む。レイの奥義で斬られた両肩がだ。あれは別世界の話の筈だ。時を遡った俺の今の時間軸では起きなかったことだ。恐らく、俺がトドメを受けたあの強烈な瞬間を、心が現実にしようとしているのだ。俺は鏡に写して自分の肩を確…