妄想北斗の拳

妄天の拳です。北斗の拳のイフストーリーを南斗聖拳シンを中心に妄想してます。

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

114.

「ところでシン様、、、」仮の隠れ家に戻る車内、蝙蝠はそれまでの雑談とトーンを変えて話を振った。 「最近シン様に接触してきた者たちはおりましたか?」「お前だけだよ」と、とりあえず冗談めかしてシンは答えた。 「ケンシロウ様とファルコ様の戦いの後…

113.

ファルコに会うことはできなかった。シンが帝都を訪れるのとほぼ同時にファルコは旅に出たと、従者を名乗る少年は答えた。 「私には行き先を教えてくれませんでした」 本当かどうかはわからない。だが、嘘をついているような兆候は一切現れていなかった。そ…

112.

「それには賛成致しかねます。シン様」わりと珍しい真顔で蝙蝠は答えた。 あれから四日経っていた。シンは南斗聖拳の拳士でありながら、、、風邪をひいていたのだ。高熱にうなされ、身体は激戦によるダメージが深く、そしてそれよりも、恥辱に塗れた敗北感が…

レイ①

暗くて何も見えない。狭苦しいチューブの中をもがきながら進む。そんな感じだった。正確に言えば自分から前へ出ずとも勝手に押されるようにして先へと進んでいる。やがて小さな光が見えた。それが徐々に迫って来る。あの光が出口。そうに違いなかった。 そし…

111.

遠くから聞こえる爆発音で気が付いた。 朝だった。止むかに思えた雨はまだ降り続いており、彼の体温を奪い続けている。 寒い、、そう感じたのはいつ以来か。それよりも、これほど深く寝てしまったのもかなり久しぶりだった。ケンシロウに敗れ身を投げたとこ…

オマージュ、参考にしたのは

パクったのではなくオマージュです苦笑 今やクソスレと化した本スレに書き込みたくないのでこちらに。 ガルゴの最期は映画「ブレードランナー」からです。 特別好きな映画ではありませんが、コアなファンが多い映画でディレクターズカット版など数種類のヴァ…

110.あの映画とある曲のオマージュ

シンよ!よくぞ避けた。まだ終わらないのだな。よくぞ躱した。まだ終わらせるつもりはないぞ。 ジタバタするな! 見苦しいぞシン!そうだ、慌てふためけ! 見苦しいぞ!シン! ブォン!黒い氣の鞭がガルゴから発せられ、直前までシンが這いつくばっていた場…

109.

「そして、これが最後の一撃となろう」 ゆっくりと近付いて行く。ガルゴはシンが動けないのを知ってゆっくりと近寄って行く。 この世に斬れぬものなし!黄光刹斬!南斗聖拳よりも斬れ味鋭い我が拳、とくと味わうがいい。 斬られたことにも気が付くまい。ゆっ…

108.

スッ、、、 ガルゴの重ねた掌が、、右手を上にして横に寝かせた合掌が、、シンの胸の前に伸ばされていた。ガルゴの氣を発しない無想の行動であったがため、シンはその気配に反応できなかった。加えて、氣を発しないとなるとほとんど暗闇の中ガルゴの動きを見…

107.

彼の敗北は、自身の死だけでなく南斗聖拳の滅亡を意味する。天では死兆星がシンを凝視している。そんな状況にあっても、今のシンはあり得ないほどに落ち着いていた。落ち着いているというよりもまさに無心状態。一つのことにのみ集中できていた。 ガルゴの間…

106.

シンに向き直ったガルゴを包む光が徐々に輝きを増す。同時にその光の中に黒い影も色濃く映える。 ガルゴの顔を伝っていた雨は氣膜に弾かれ彼の巨体を避けて降り落ちる。 「影力、、、今のがそれか?」 シンの問いにガルゴは無言で頷いた。そして言う。「無心…