妄想北斗の拳

妄天の拳です。北斗の拳のイフストーリーを南斗聖拳シンを中心に妄想してます。

162.蝙蝠

話を長くしても仕方ありません。ここからは飛ばして行きますよ?

 


ヘンショウキ様は見事に仇討ちを遂げ、ことが明るみに出たことで、ホタル様の愛したかの方のご家族にも、当然知られることとなりました。

かの方の御一族は「事務方」でしたが、先程申し上げました通り、、南斗様の中でも有力な方々でした。

G様とそのどうしようもない取り巻きどもは既に、ヘンショウキ様により地獄に突き落とされていますが、、、、

シュメもそうなんですけど、やはり南斗様も、そのぉ怖い組織ですよね。

「現場系」と言いますか「実務系」と申しますか、武の方々を動かしました結果。一族郎党なんとやら、です。無関係な方もいたでしょうに、、、

G様の流派は断絶となりました。既に南斗聖拳組織の中にその名はありません。

シン様は六聖拳という雲の上の方ですから、このような話は多分、お聞きしてはいないでしょうね。

 


ヘンショウキ様は自らの責任を取り、自害なされました。ヘンショウキ様には、もちろんホタル様にもかの方にも、一切の非はございません。

それであればヘンショウキ様のこの一連の行いも正当なるものでしょう。

しかし、かの輩、、あぁ、つい本音が、、G様も有力な家の出です。お取り潰しとなっても、どんな筋から、どんな難儀な何かが飛び出ないとは限らない。

ご自分の周りの者に何かしらが及ばないよう、ヘンショウキ様は自害されたのですよ。

ええ、見ましたよ。何なら葬ったのも私でしたから。自らの腹部を、そう、つまり割腹されており、敢えての苦痛を受け入れたのでしょう。

しかしながら、そのお顔は、ええもちろん、穏やかで満たされていたとは申しませんが、少なくとも、何と言いましょうね。

はい、悪い顔ではなかったです。決してね。

ええ、、、、異例中の異例ですよ。私が、シュメごときが南斗様の聖拳士様を葬る列に並べるなんてね。

ヘンショウキ様の行いには義がありましたし、当然のことと同情する声ばかり。

それでも、組織の分裂を促すような、たとえそれが上層部の方々からすれば、取るに足らないような些事とは言え、厳しい処分は間違いない。

ですので、ヘンショウキ様は敢えて、自らの死までの苦痛を長引かせることで、ご容赦を訴えたのではないでしょうか。

ヘンショウキ様には親しい友人のような方はいないはずでしたが、かの下衆の悪評は広く聞こえており、それもあり、

ヘンショウキ様の報復に何の咎めがあるのか?と各方面から声が上がったとか。

上層の方々も、下からの小さい声が、流石にたくさんたくさん上がって来ては煩わしいのか、ヘンショウキ様の咎は赦されました。

これにて一件落着。もうこれ以上、語るに及ばず、となりましてね。

ですがね?

ひとつだけ、まだ私の心に似た何かに引っかかることがあったんです。

ヘンショウキ様の御孫様。ホタル様とかの方の忘れ形見です。

ヘンショウキ様は里の者に託しているとは仰っておりましたが、さて。

本当のところ、、、、いえね? 私の思い過ごしかも知れないのですが、南斗様と無関係なところで生きられないかと、そう考えていたように思えるんです。

その考えは、思い過ごしから思い込みに変わってしまい、私は決意を胸にヘンショウキ様の故郷を訪ねたんです。いえ、遠くはありません。

長い話もアレですから、掻い摘んでお話ししますと、ヘンショウキ様の妹様だったんですよ。お孫さんを預かっていたのは。

妹様にはね、お二人の息子さんが「いた」そうなんですが、はい、過酷な世界じゃないですか、南斗様って。

だからこそか、、いえ、孫って、可愛いらしいですねぇ。私にはわかりませんがね。

それで、とてもとてもお孫さんを可愛がっていらっしゃいました。ですが、仰ったんです。

南斗と関係のない静かで平和なところに連れて行ってくれと。このシュメごときの私に、膝を、ええ両膝を着いてお願いされたのです。

最悪の場合、、拉致とでも言いましょうか、静かに頂戴するつもりでしたが、まさかの依頼。そう、「依頼」だったんです。

南斗様の依頼は絶対です。厳密には、南斗様の人間が、そこを生きて出ることは叶いません。この依頼自体が禁なのです。

ですがね、何事も柔軟にですよ。それを言ったら、フフフ、ヘンショウキ様が私めにご自分の技を「教える」ことそれが禁忌中の禁忌。禁断ですよ。

それでね、、結果思い掛けなく「この子は死んだことにする」と私に預けられたのです。

 


長い? はい、わかります。

ですが、もう少しよろしいですか? この話、ちゃんとオチがあるんですよ。