「どこから来た? どこへ向かう?」薄暗い一室に入ると、決して威圧的ではない落ち着いた声で女が訊いてきた。「あてはない」両脇を抑えられながら生気に欠ける声で短く返答した。しかし、この短い一言が全ての真実だった。 「花さん、タジフのところのスパ…
「聖帝様!お休みのところ無礼をお許し下さい!」 ドアを蹴破る勢いで入って来たのは、この夜の統括警護責任者リゾである。非常時かも知れないが複数で聖帝の寝室に押し入ることには抵抗があった。それで他の兵たちは外に待機させ彼だけが飛び込んで来たので…
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